ブランドとしての「非コモディティー化」と「思いやり」

 今回は、高シェアを維持する一眼レフ・複写機のメーカーからから学ぼう。
 国内では薄型テレビやスマートフォンに比べ影の薄い感のある一眼レフカメラ (日本メーカーのキャノン・ニコン) だが、世界シェアは他のデジタル家電に比べ桁違いに高く、オフィスに1台は必ずある複写機(複合機)もまた日本の重要な輸出産業となっている。両製品の強みは、「非コモディティー (日用品) 化」と「思いやり」にあるといわれています。

 日本の一眼レフカメラが高シェアを維持している要因としては、まず映画の都・ハリウッドでもその動画撮影性能が認められつつあり (実はAKB48のプロモーションビデオがデジタル一眼レフで撮影されていたのには驚き)、導入コストも専用の撮影機材と比べて10分の1以下ということ、そして非コモディティー化にあります。
 つまり、一眼レフカメラは趣味嗜好品であり、撮りたい画 (「我が子の笑顔をきれいに撮りたい」「登山で見た美しい景色を写真に収めたい」) にお金をかけてしまう人間の心理に支えられています。
 家電が便利さを追求するのに対して、一眼レフは楽器のように人間の感性を大事にする、文化を創造する要素が大きいといわれています。
 また、他社製品間に互換性がないことから囲い込み戦略が成り立っていますし、技術的参入障壁を持っていることもあげられます。数枚から20枚前後の組み合わせレンズに入ってきた光をイメージセンサーに正確に当てる工学技術は、海外メーカーではなかなか真似ができないすり合わせレンズ製造技術。より際立つアナログ技術であり、まさにコモディティー化しないすり合わせの極致といわれています。

 複写機 (リコー・キャノン・富士ゼロックス) が高シェアを維持している要因としては、国内で最もパソコンを販売している会社のトップグループ (家電量販最大手のヤマダ電機やOA機器販売の大塚商会などに並んで) に名を連ねている理由、自社の複写機やプリンターを納める顧客企業にパソコンも頼まれて提供していることであり、この 「オフィスのご用聞き」 に徹する姿勢、つまり 「思いやりの心」 が上げられます。顧客からの電話一本で現地に飛んで行き、機械を修理する保守サービス体制も強みのひとつと言われています。
 売り切りビジネスの家電製品 (“売ったもん勝ち” のアジアの新興電機メーカー) と違って、保守契約の付く複写機は、トナーなど消耗品の交換から点検、故障対応まで “末永いお付き合い” のビジネスモデルであります。

 「世界全域でこのように同質のサービスを提供するのは並大抵の努力では実現できない」 と言われている。こうした 「思いやり」 のあるサービスこそが、まさにコモディティー化 (どこにでもある日用品レベル) を防ぐ策の1つであるといわれている。一眼レフと同じアナログ技術も日本の複写機メーカーの競争力を維持する秘訣であるのだろう。

 以上の例にあるような、顧客と真摯に向き合う姿勢は十分に学ぶことができます。
 リハステージのスタッフ提供サービスは、まさしく “末永いお付き合い” のビジネスモデルであります。
 そのための我が社の保守サービス体制が、どこまで顧客第一主義に則った他事業所と比べて差別化できる 「思いやり」 と 「非コモディティー化 (非日用品化)」 となっているのかが重要であります。
 弊社のデイサービスでそれを具現化している例としては、利用者様が、「体調が悪い」 「身体に不安がある」 としてお休みを申し出た時に理学療法士等がまず話を聞いて、もしくは必要なら自宅まで出向いて体調評価をしてその不安に対応した結果、デイに参加するようになって全体の欠席率を低くしたり、訪問リハに移行したりして、何らかのリハサービズが継続されるといった、よい取り組みがあります。
 しかし、それ以外のサービスにおいては、果たして 「非コモディティー化」 と 「思いやり」 の水準にまで達しているのか今一度、考えてみる必要があります。

 我が社の 「非コモディティー化」 と 「思いやり」 ともに、利用者様にしっかり嗜好され、かかりつけセラピスト・トレーナー・介護職になり得る水準にまでなっているのでしょうか?さてどうでしょう?

(「高シェアを維持する一眼レフ・複写機、その秘訣を探る」p30-32 WEDGE8 2011引用)