LCCエアアジアグループCEOの哲学・思考の根本から学ぶ
「ノーマライゼーション」の精神から生まれたコストカット

 LCC(Low cost carrier:ローコストキャリア 格安航空)の草分けでもある東南アジア地区を中心に、アジア地区を網羅しているエアアジアの最高経営責任者(CEO:Chief Executive Officer)のトニー・フェルナンデスは、今アジアで注目されている経営者の一人と言われています。
 
LCC事業の動機として彼は言いました。
「昔は飛行機を利用する人は特別なクラスの人でした。いわゆる富裕層だけが使える交通機関でした。だから機内もフルサービス、食事も酒もチケット代に組み込まれているのでとても高価でした。ところが今やほとんどの乗客はリッチな人ではなくて普通の人です。つまりチケットは安くなくてはいけない。それを私は実現しました」


 この彼の思考の根本は、
 『「人はすべて平等」ということ。だから誰もが利用できる格安の航空会社を作った。』

 そのために、“すべて”というほど徹底的に行ったコストカットの内容は、
 ・機乗する時に空港バスは使わない。乗客は飛行機まで歩いていく。
 ・使用する飛行機はほとんど同型の機種。
  そうしたほうがメンテ費も安くなるし、パイロットの研修費も抑えられる。
 ・購入時には100機まとめて買う。そうすれば1機の価格が約半額になる。
 ・機内の清掃もCAが行う。人件費の節約です。
 ・空港での駐機時間は駐機代の節約のため25分に短縮。
 ・社長室なんて贅沢な場所は不要。あるのは社長スペースとでもいう場所だけ。
 ありとあらゆる手を使って経費を削減した結果、今の料金が打ち出せた。

 LCCの飛行機のボディマスキングは、「Now Everyone Can Fly」
 (「今は誰でも飛行機に乗れます」の文字をあしらったものです)

 そして、彼はこの事業をステップに次の事業も考え、以下のような社会を望んでいます。
 ・どんな人間でも利用できるローコストな教育
 ・誰もが気楽に受けられるローコストな医療
 ・誰もが平等に利用できる保険(業)
 ・貧しい人も富める人も等しく同じようにサービスが受けられる社会

この考え方はまさしくノーマライゼーション、ユニバーサルデザインの社会といえるものです。

 以上の考え方は、『経営の神様』といわれる松下幸之助の「水道哲学」に類似しています。
 ・すべてのサービスを多くの人に低価格で提供できる社会を目指す。
 ・「水道哲学」:水道の水のように物資を潤沢に供給すれば、物価も安くなり、多くの消費者がその物資を手に入れることができるという思想である。

 私たちリハステージも、彼らの思考、哲学を学び、財務環境改善(経費削減)に努める行動指針にしたいものです。

*トニー・フェルナンデス
 生誕:1964年4月30日 マレーシア
 職業:実業家
 純資産:470億ドル
 2007年には、クアラルンプールに最初の格安ホテルチェーンのチューン・ホテルズを開業させ、今後マレーシアや東南アジアを中心に店舗網を拡大する計画。また、2010年のF1世界選手権よりF1に参入した、マレーシアのロータス・レーシング(現・ケータハムF1チーム)の代表も務める。